2007年を振り返る⑩〜「海外劇場アニメに減少傾向」その1
2006年3Dアニメ大量発生現象
アニメージュ「2007年知っておきたいアニメ事情」のハリウッド番目の事項は「海外劇場アニメに減少傾向」である。これに対応する昨年の項目は、「アメリカでもアニメラッシュ」であった。何やら日本のテレビアニメ事情と似ている気がするが、一体どういうことなのであろうか?
日本と違ってアメリカのアニメ産業の主力は映画である。日本では何事もテレビからスタートするが、アメリカは映画からの場合が多い。テレビでヒットして劇場に向かう日本と、劇場でヒットしてアニメのシリーズがつくられる違いである。この両国の主要アニメ分野が何やら2006年と2007年にかけて、奇しくも史上最高の製作数→翌年減少という一致を見せたのは何故か。実はその要因を探ると興味深い共通点がある。
2006年という年は、ある意味アメリカにおける3Dアニメの集大成とも言える年であった。1995年『トイ・ストーリー』で幕を開けたハリウッド3DアニメはBOX OFFICE低落傾向の2Dアニメを尻目に快進撃を続ける。その主たるプレーヤーはピクサーとドリームワークスで、2000年初頭までこの二者のほぼ独占状態であった。
この両者の3Dアニメにおける成功を他のメジャースタジオが手をこまねいて見ているはずがない。遅ればせながら各社一斉に3Dアニメに参入する。それが結実したのが2006年なのであった。その結果、それまで年2〜3作程度だった製作数が、メジャースタジオ配給だけで11作品という史上最高の3Dアニメラッシュとなったのである。(この項続く)
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