アニメ右肩上がりの要因2〜メディアの発展による牽引効果
2.1テレビによる牽引効果①〜メディアとアニメ
アニメに限らず映像コンテンツを語る上で欠かせないのがメディアとの関係であろう。日本のアニメの発展はメディアの増加と共にあったが、その中最も重要と思われるのがテレビメディアとの関係である。ここではその関係について述べて行くが、その前にアニメとメディアの歴史について概観しておきたい。
19世紀末に映画というメディアの誕生がすることで、長年の夢であったアニメーション制作が可能になった。そのため、世界各地で同時多発的にアニメーション制作に挑戦する人間が現れたが、産業としていち早く確立したのはアメリカであった。1906年にイギリスから渡ってきたJ・S・ブラックストンが『愉快な百面相』において初めてコマ撮りに成功して以来、急激に発展して行く。
お国柄かも知れないがアメリカでは初期から産業化への意欲的な取組が行われていた。1910年代中盤にジョンランドルフ・ブレイは、それまで一人でやっていたアニメ制作を工程ごとに分け、何人ものスタッフが流れ作業でこなすことで省力化をはかった。家内制手工業であったアニメ制作工程にヘンリー・フォード式の生産ラインを持ち込んだのだ。如何にもアメリカ人らしいとは思うが、ブレイはアニメを芸術ではなくビジネスとして真剣に取り組んだ最初の人間であった。
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