『ドラゴンボール』実写化と原作⑮〜自分の著作権にはうるさいが、他人の著作物は大胆に改編、という常識の国
今まで原作とその映像化について述べてきたが、ここでオリジナルが多いと思われているディズニー作品について考えてみたい。
確かにディズニー作品の原作はパブリック・ドメインのものが多いが、過去著作権が存在する原作を獲得する場合も実は結構あった。ウォルト・ディズニーが生きていた時代は、もちろん映像化するのは彼が気に入った原作に限られたが、それを自ら交渉して獲得するケースが多々あった。
ディズニーは自分たちの保有する著作権には極端にうるさいが、他人の著作物に関しては大胆な振る舞いに及ぶことがある。それは『ライオンキング』を見れば明らかであるが、その原点はどうやらウォルト・ディズニーにあったようだ。そう、ウォルトは原作を大胆に改編し、原作者と揉めることがしばしばあったのである。
『ピノキオ』はイタリアの作家カルロ・コロディの作品であるが、原作とアニメはかなり違っている。そのため、原作者の甥がディズニー作品は間違ったピノキオを描いており、アメリカ人に誤解を与えるとして、イタリアの大衆文化省にディズニーを名誉毀損の訴訟を起こすように訴えた。結局、この時は結局何も起こらなかったが、ウォルトのイメージに基づく改編はしばしば原作者を激怒させた。その最も象徴的な例が『メリー・ポピンズ』であった。
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