大塚英志『キャラクターメーカー 6つの理論とワークショップで学ぶ「つくり方」』(アスキー新書743円税別)
大塚英志氏は岡田斗司夫と同年の1958年生まれなのでオタク世代のトップであり、オタク文化の極北(極左?)に位置する人間と言えよう。
本書『キャラクターメーカー 6つの理論とワークショップで学ぶ「つくり方」』は神戸芸術工科大学先端芸術学部メディア表現学科で大塚氏が担当する一年生向け授業である後期授業物語基礎実習(ワークショップ)の一部を元に書き下ろしたものである。大学一年生向けということであるが、内容は極めて充実しており、かつわかりやすい。その意味でこの本は大変なお値打ち品である。
大塚氏はポップカルチャーに対する国の振興策を忌み嫌っているようであるが、この本は対費用効果で考えると遙かにそれを上回る。税金をつかわずとも(そればかりか税収に貢献している)産業を振興させる方策はあるという見本を大塚氏は自ら実践しているようである。
もし創作に対する密かな野心を抱いているなら騙されたと思って一度この本に従ってみては如何であろうか。アニメビジネスがわかる本72で紹介した金子満氏の『コンテンツを面白くするシナリオライティングの黄金則』もそうだが、今後このような実践本・ノウハウ本がどんどん出版され、創作に対する知識・技術が敷延化されれば意義深いと思う。
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