ほとんど公共投資に近い中国アニメ産業
それでは3の上映はどうかといえば、「制作費600万元で作られた国産アニメ映画『喜羊羊与灰太狼(メエメエちゃんとオオカミ君)』は先月16日(筆者注:09年1月)に封切りされ、現時点で全国興行収入は約8,000万元」(中国国際放送HPより)になった例もあるのでそこそこの売上はあるものと思われる(『喜羊羊』以前で最高の売上だった劇場アニメが3,000万元だったとのことである)。
しかしながら、このようなアニメ映画の大ヒットは希であり、そもそも『喜羊羊』もテレビアニメであったことを考えると映画での回収もなかなか厳しいように思われる。実際テレビアニメにおけるヒット作品も少なく、『喜羊羊』は希有な例である。
若干余談になるが、アニメ制作同様増え続けているのが教育機関である。既に中国の大学・専門学校の75%(447の高等教育機関が動画専業の設置しており、その他の1,230の高等教育が何らかの形で動漫と関わるような学科を開設)がアニメ関連の学科を設置しているというから驚きだ。アニメ産業に対する意気込みがそのまま人材育成にも表れているが、今後産業としてこれらの人材を吸収し続けられるかどうか注目されるところである。
おそらく政府がアニメ産業の投資し続ける間、雇用は何とかなるであろう。まるで公共事業のようだがそれが中国アニメ産業の実態である。
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