『マウス・アンド・マジック(上)』
(レナード・マルティン/権堂俊司監訳/出口丈人・清水知子・須川亜紀子・土井伸彰訳)
(10年5月/楽工社/税別4,900円)
アメリカン・カトゥーンを概観できる
アメリカン・カトゥーンを概観できる、と見出しをつけたものの、まだ上巻だし、原書を読んでいないのでホントにそうなのかはわからない(笑)。しかし、大作である。本文が347p、プラス映像、DVDデータが50pある。字が大きくて年寄りにはうれしいが、もう少しフォントを小さくして何とか1巻にまとめられなかったものか。何せ上巻で4,900円(税別)である。原書をamazonで取り寄せたら19.80ドル(郵送費別)なので、もう少し安くしてもいいのでは(まあ、原書だと読むのにえらい時間がかかるで、時間を買ったと思えばいいのでしょうが)。
レナード・マルティンといえば、案外日本人にも接点がある。ディズニーのコンプリート・ボックスの中に出てくる解説者であるからだ。彼がこの本を著したのが30歳、批評デビューが15歳というから早熟な才能である。
ということで、その中味であるが、アメリカン・カトゥーンのはじまりから、発展、そして現在に至るまでが(先の述べたように、どこまで書いてるのかわからないが、多分このボリュームだとこれを書き上げた1980年頃迄であろう)バランスよく書かれてある。巻末の作品データも含め、アニメの歴史を知る上では欠かせない一冊である。
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