企業ヒヤリング4〜Vol.2サンライズ
【選定理由】
日本を代表するアニメ製作スタジオ。売上規模も東映アニメーションに次ぎ業界第二位。『機動戦士ガンダム』をはじめ、オリジナルの話題作を数多く生み出し続けているそのスタジオにおける人材育成状況を探りたかった。
【企業概要】
1) 企業名:株式会社サンライズ
2) 所在地:杉並区上井草
3) 設立:1972年9月
4) 代表者:内田健二
5) 資本金:49,749,000円(バンダイナムコ・ホールディングス99.1%)
6) 設立の経緯:1972年、日本で初めてテレビアニメを製作した虫プロから独立したメンバーが中心となって設立された。1979年放映のガンダムをきっかけとし急速に発展。1994年バンダイの傘下となる。
7) 従業員:202名
【人材育成】
1)採用傾向
採用については主に三のパターンがある。
① 毎年行っている新スタッフ募集。20数年に渡り管理、制作(プロデューサー、文芸、演出)、営業職対象として毎年新卒を定期採用している。
② アニメーター(サンライズ専属作画実習スタッフ)定期採用。
③ スタジオ毎の随時募集である。
2)募集方法:主に自社HP
3)昨年採用実績
① 新卒定期採用で各年9名採用(応募者は200名程度)。
② アニメーター(サンライズ専属作画実習スタッフ)定期採用は9名(応募者120名程度)。
4)人材の傾向:新卒は大卒、アニメーターは専門学校中心
5)採用試験
① 新卒採用は書類審査、筆記、面接。制作、営業希望者は運転実技試験有
② アニメーターは書類審査(手書きの履歴書、卒業見込証明書、成績証明書、健康診断書、作品)、実技、面接を行っている
6)給与
① 新卒者に対する報酬に関しては会社規定による
② アニメーターに関しては研修期間の間(1年間)毎月助成金として10万円を支給している
7)研修ポリシー
① アニメーターは「若木塾」という研修システムで1年間に渡って学ぶ。スタジオライブの芦田氏が主任講師として中心になって教えている。常任講師は他に森田浩光・海老沢幸男・神志那弘志・竹内浩志・西村聡の各氏が務めている。
② アニメーターは1年の教育機関が終わると「作画室」に入る。そこでは同部署の先輩や社内の専門家の指導を受ける。
③ 制作等の研修期間は一か月。
8)キャリアアップ
① アニメーターは動画を中心としながら原画マンへの道を歩み契約やフリーの道を目指す。
② 新卒の中で制作は10年未満で独立することが多い。つまり契約社員やフリーになるということであるが、これが管理や営業畑以外の定期採用者にとってのキャリアパスと見なされている。
【所見】
人気企業ということもありリクルートに余裕が見受けられた。また、企業体力もあるせいか研修棟等のシステムも充実している。話は変わるが、最近代表の内田氏の講演を聴く機会があった。その感想を一言で言うと、サンライズはプロデューサーを育てる会社であるということである。とにかく徹底したプロデューサー重視システムである。それについては別の機会に一度書いてみたいと思う。
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