第四章&五章「激動の10年 テレビアニメ篇 劇場アニメ篇」8
劇場アニメの可能性4
劇場アニメへの緊急待避
と言うことで、一時的に回復したアニメパッケージであるが、先行きは決して明るいものではない。やはり、パッケージに変わるメディア、サービスを開発しなければならないのであるが、取り敢えず考えられたのが劇場興業であった。
深夜でのオンエアーをショーウィンドウとして、パッケージで回収をはかるビジネスモデルの弱体化しつつある現在、それに代わる収益手段の開発は緊急の要務であるパッケージに代わるウィンドウをどうするかということである。
その本命は配信かも知れないが、まだまだパッケージに取って代わるほどの市場にはなっていない。価格も安く、せいぜいレンタル市場の補足程度。そこで考えられたのが即効性(要するに現金収入)のある劇場興業なのである。
全てのウィンドウの出発点とも言える劇場興業。原点回帰とも見られるが、やはりファースト・ウィンドウから収益を得られるのは強い。もちろん、興業の場合、テレビアニメより制作費が嵩むため客が全然入らなければ経済的に大打撃を受ける可能性もある。また、ヒットする確率も低いためリスクが大きいという難点もある。
それでも、現在業界全体が劇場アニメに向かいつつあるというのは、深夜アニメ→パッケージというビジネスモデルからの緊急待避という意味合いを持っているからである。
しかし、リスクが大きい劇場アニメに全面シフトするとも思えない。実際、今年は現時点で昨年より数を減らしており、その動向は予断を許さない状況にある。
Perfect anwser! That really gets to the heart of it!
投稿情報: Felipe | 2012/05/18 01:26