第四章&五章「激動の10年 テレビアニメ篇 劇場アニメ篇」10
アニメ生態系の頂点にあるもの2
劇場アニメも支えているキッズファミリーアニメ
キッズファミリーアニメがアニメビジネスの中心にあるということは、劇場アニメでも証明出来る。ジブリ、エヴァは別挌として、毎年劇場アニメの興行を支えているのは、いわゆる定番作品である。
この定番作品とは即ち、毎年製作されるテレビアニメの劇場版である。具体的にはドラえもん、しんちゃん、ポケモン、ナルト、プリキュアといった作品であるが、これら劇場版は必ずヒットが伴う「鉄板」ものである。
こういった、テレビアニメが劇場版となり、さらに定番化して行くというのも極めて日本的な特徴である。ポケモン劇場版が回を追う毎に興収を半減させ、遂には興行しなくなってしまったアメリカと好対照である。
今まで見てきたように、日本においては全ての局面でテレビアニメがイニシャティブを取っていることが分かった。ただし、たったひとつの存在を除いて。
それは、もちろんジブリである。これについては『もっとわかるアニメビジネス』でも随分と書いた。しかし、その時はまだ『コクリコ坂』の興行がはじまる前の段階であったため、その要素を勘案しての将来展望を描くことは出来なかった。次回以降、そのことについて少し触れてみたいと思う。
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