アニメビジネスがわかる本

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2011/10/29

コメント

相佐和萬

はじめまして。10/27の「アニメ産業の現在〜アニメ産業レポート2011 」に参加とせていただきました。たいへん勉強になりました。ところであのときは時間がなく質問ができなかったのですが、増田さんは最近の深夜アニメのワンクール傾向をどう思われますか。なんか今回のシンポジウムを聞いていてますますそのメリットがわからなくなってきました。CDのオープニングは放送前に注文が締め切られたり、映像は放送終了後に、放送期間の倍もかけて発売され鮮度がどんどん落ちていくという、そんな小さくないデメリットばかりしか見えてきません。それらをしてまでどうしてワンクールになだれ込んでいくのでしょうか。ほんとうに不思議に感じました。いろいろと理由はあるのかもしれませんが。

増田

相佐様

ワンクールもののメリットですね?
実際の制作サイドでワンクールがいいと思っている人は余りいないのではないかと思います。
これは、やはりプロデュースサイドの都合かと思います。リスクを最小限にということでしょうが、それが逆に裏目のスキームに入ってしまっているのではないでしょうか。
腕が縮んだピッチャーじゃないですが、思いっきり真ん中に投げられないのが現状ではないかと思います。とは言え、06年頃に比べ、企画が淘汰され、作品自体のクオリティは全般的に上がっていると思いますが、どうでしょうか。

相佐和萬

お忙しいのにコメントありがとうございました。たしかに06年時よりも淘汰されたと思いますしクオリティも上がったと思います。これは制作サイドがワンクールもののノウハウをある程度確立させ、かつてが起承転結のうち起結、もしくは起承、だけみたいだったものが、そうではなくなってきたこがあると思います。そしてなによりこちらが馴れたことが大きいと思います。でもこんな25m競争みたいなことばかりやっていると、また違った意味での日本アニメのガラパゴス化が進んでいきそうで心配です。それにSHOPでのOPやEDのCD、さらにはDVDへの対応の仕方はかなり綱渡り的ともいえる状況でここ数年は推移しています。流通業界がこのワンクールへの流れに早急に対応しないと、ブルーレイ特需による売り上げも今後どうなるか自分はとても不安です。それにしても「腕が縮んだピッチャーじゃないですが、思いっきり真ん中に投げられないのが現状ではないかと思います。」というご発言、言い得て妙ですね。

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