第六章「激動の10年 その他篇」海外販売7
All Nippon Entertainment Works7
儲かるのは誰?
とは言え、今まで述べた原作事情はAll Nippon Entertainment Worksも調査済みであるに違いない。だからパッケージ的手法で売り込みを図るのではないかと推測される。これによって、原作権だけではなく、プラスアルファの付加価値を狙うのであろう。
確かに、パッケージ化されるならスタジオサイドもイメージしやすくなるのは確かである。そして、原作だけを提供するより利益の分配に預かれる可能性は高くなる。あとは、スタジオが魅力を感じるかどうかだけである。
日本コンテンツ原作がパッケージ化することで魅力を増すかどうか、それはやってみないとわからないであろう。このプロジェクトの原資は公費、つまり税金である。公共投資よりリターン率が低いようでは困るのだが、そもそもハリウッドがそんなに日本人を儲けさせてくれるはずがないというのも事実である。
思えば1980年代からハリウッドを目指して多くの日本企業やプロデューサーがチャレンジしたが、儲けたと言える例は非常に少ない。パナソニックは途中放棄、あのカルロコも今や消えてしまった。高い授業料を払って元を取ったのはSPEだけか・・・
ハリウッドにしてみれば何で自分たちの取り分を日本人に回さなければならないのか。そう考えるのが普通である。そのために「現地」プロデューサーを立てるのであろうが、結局はその人間だけが儲かることにならないことを願うだけである。
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