うる星やつらの想い出2〜うる星やつらファンの衝撃
原作本も100万部単位で売れていた『うる星やつら』はアニメでも好調でなかなかの視聴率を稼いでいた。ところが、この作品にはある特徴的なビジネス傾向があった。モノが売れるのである。
もちろん、『うる星やつら』は作品的に『鉄腕アトム』や『ポケモン』の様に数百万単位の子どもたちを対象とするようなものではないのだが、何を出してもある一定の数字をキープできるのだ。特に製作元がレコード会社ということもあり、かなりの音楽商品を出したのだがどれもコンスタントな売上を上げていた。つまり、ある一定のファン層がついており、購買単価などを考えてもどうも子どもではないのは明かであった。
この『うる星やつら』のファン層が顕在化したのが「うる星やつらファンクラブ」であろう。最盛期は3万人以上の会員を誇っていたが(担当ではなかったので定かではないが、もっと多かったかも知れない)、実際にその姿に接した時の衝撃は今でも忘れない。
それは、どこかで開催されたか記憶にないが『うる星やつら』ファンクラブの集いであった(毎年全国規模で毎年ツアーしていた。武道館で開催したこともある)。そこに集まったのはかつて私が接したことがないような人々であった。何故か体型は太め、紙袋を持った若者たちである。
衝撃は彼らのステージに向けてのコールであった。どのようなシチュエーションであったか忘れてしまったが、何かの拍子に野太い声の「ラムちゃーん」コールが起こったのだ。アイドル歌手の会場ならあり得るが、アニメのファンクラブのイベントでこの種の声を聞いたのには正直驚いた。そこには現在の萌えに通じるファン層が生まれていたのである。
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