杉山和之『クリエーター・スピリットとは何か?』
(07年/ちくまプリマー新書/700円税別)
中・高校生向けクリエーターの勧め
ご存じデジタル・ハリウッド学長の杉山氏の新刊なので早速買ってみた。ところが、これは中・高校生向けの「ジュニア啓蒙書」であった。ちくまプリマー新書とはそういう世代向けのものだったのだ。最近アマゾンで買う機会が多いため時々期待していたものと違った内容のものに行き当たる。ちくまプリマー新書というのは岩波ジュニア新書のようなものなのだ。
とは言え、この本はクリエーター志望の人間にとってはなかなか有効である。書かれてあるのはクリエーターに取って基本的な心構えから日本やアメリカにおける表現の現状まで多岐に渡っている。一読すると日本のクリエーターが現在置かれている状況が概観できる。
もっとビジネス向けとしては、杉山氏が昨年書いた『クール・ジャパン 世界が買いたがる日本』(祥伝社)がいい。さらにコンテンツ・ビジネスを掘り下げたければ『ポケモン』の仕掛け人として知られる小学館の久保雅一氏企画・監修の『踊るコンテンツ・ビジネスの未来』(畠山けんじ/小学館)がいいと思う。それより深く知りたい向きには東大大学院助教授でアニメにも造詣が深い浜野保樹氏の『表現のビジネス』(東京大学出版会)がお勧めである。
コメント