海外における放映事情6〜アメリカに見る放送基準1
内容に関する基準
アメリカにおける放送基準の厳しさはつとに有名である。それは内容のみならず、広告、編成にまで渡る。以下、その要旨をまとめた。
1子ども番組の内容に関する基準
■ 暴力の描写
基本的に暴力は否定的に描かれなければならない。身体的暴力のみならず、言葉や精神的な暴力についても最小限に押さえられなければならない意図されている。アニメ番組ではストーリーの表現として非現実的な暴力は許されるが、暴力的なテーマであったり危険行為を誘発するようなものは許されない。
言葉においても、民族を中傷する、卑わい、侮蔑的表現は許されない。
■ ヌード
ロマンチックな愛とは区別され、性的な表現や言葉、あるいはヌードは極力抑えなければならない。
■ 武器
空想上やSFにおける武器は許容範囲だが現実の武器は避けなければならない。また、視聴者に向かって武器やナイフを向けるのは避けなければならない。
■ 血の表現
流血の表現は不可。
■ 宗教
宗教に関しては特別な配慮が必要とされる
これらの規制はネットワークを基準とするキッズ・ファミリー番組の基準である。従って日本の深夜アニメは元より論外であるが、日本のゴールデン・タイムや土日の朝の放送帯でやっているアニメでも引っかかるケースが多い。
まず戦闘シーンが多いロボットアニメなどは難しい。1960年代に『鉄腕アトム』がアメリカでオンエアーされた時代からロボットが破壊されるのは残酷で刺激が強すぎると言われ続けている。
また、あきれて口をあんぐり開けるカットも品がないということで抵抗感が強いなど日本人が思い浮かばないレベルでの齟齬もあり、日本のアニメで前記の基準をクリアー出来るものは意外と少ない。
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