『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』が見せた可能性③
『エヴァンゲリオン進撃:序』のヒットはアニメ業界にとってはまことに慶賀すべき出来事であったのは間違いない。『ドラえもん』や『ポケモン』など定番以外のアニメ興行が全滅に近かった状況のなかでひときわ光っている。しかも新しい観客を惹きつけてのことである。12年が経過した今でも未だにエヴァに期待する人間が何と多いことか。
しかしながら、今回のエヴァの大ヒットで浮かび上がった大きな問題がある。それは庵野監督が昨年の段階で述べているように、日本のアニメ界がこの12年間エヴァより新しいアニメを生み出せなかった部分が確かにあるということだ。今回のエヴァ見た人間の声を聞くと、「12年前の作品」にもかかわらず少しも古さを感じさせなかったのはもちろん、面白かったというのが圧倒的で、次回作への期待感は確実に高まっている。
テレビアニメの時代を拓いた最初のメガヒット作品『鉄腕アトム』はモノクロ作品ということもあり、放映10年後にはすでに古く感じた。アトムに次ぐエポックメイキングなアニメ『宇宙戦艦ヤマト』も、ブレイクから10年後には衰えを隠せなかった。10年も経てばアニメの制作状況が一変しているのは当然のことで、日本のアニメ界は早くエヴァを過去のものとしなければならないであろう。
エヴァの観客層が若返ったことについて、ケータイがある一定の役割を果たしたと思われる。ケータイ・コンテンツ視聴層のメインである10代から20代に向けてのプロモーションにQlick.TVが果たしたと思われる実績について次回書いてみたい。
コメント