2007年を振り返る⑯〜「日本アニメーター・演出家協会」その4
環境整備とデジタル投資
アニメ業界に流入した資金がどこへ流れたか非常に見えにくくなっているが、ひとつ言えるのは上位企業の環境が整備されたことである。著作権を保有する製作指向の会社はともかくとして、これまで制作指向だった上位元請けも企業としての環境が整ってきた。その中から、GDHやプロダクションIGなどは上場を果たした。
それにつれてリクルート環境も急速によくなってきた。有名大学の学生が来るようになり、東大卒業の人間もちらほら現れはじめた。自社ビルを立てるようなほどではないが、上位企業を中心として全体的な環境アップはなされている。
また、結構大きいのがデジタル関係への設備投資増である。アニメ制作は典型的な労働集約産業で、以前は場所を確保し、作画机と紙と鉛筆があればすぐにスタジオとしてスタートできたが、最近はコンピューターをはじめとし、機材やライセンスソフト関係への初期投資が必須となっている。
これに、さらにハイビジョン対応、デジタル放送対応に関する設備投資も視野に入れなければならない。アメリカの3Dアニメ制作ほどではないであろうが、今後もデジタル化が進めばさらに設備投資が増大するのは運命づけられている。
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