第7回東京国際アニメフェア⑩〜動き出したスタジオジブリ/元ディズニー・ジャパン代表の社長就任
東京国際アニメフェアのジブリブースを覗いたが、今年は抑制がきいているというか要するに地味であった。夏にポニョの公開が決まっているので、情報管理も含めて大げさな振る舞いは敢えて避けたのであろう。
今年はジブリにとって数年に一度のお祭りイヤーである。最後?の宮崎作品になるかも知れないこともあって(とは言いながら、同年齢のりんたろう氏は3Dアニメに挑戦中であるし、富野由悠季氏や柴山努氏にしても引退という言葉とは無縁である。ひとつ上の杉井ギサブロー氏は新たな企画に取り組んでいると聞いているが、この世代のスタミナにはつくづく驚かされる)、否応なく盛り上がるのは目に見えている。
久しぶりの子ども向け作品となった今回のポニョであるが果たしてどのような評価を得るのか。個人的にはトトロのようなフォーエバー・グリーンなキャラクターになってもらいたいと願っているが、いずれにせよ先行きに不透明感のあるアニメ業界にとってはポニョの行方がどうなるのか非常に気になるところである。
そんな期待を一身に担うジブリであるが、そろそろ企業としては変化の時期を迎えているようである。その象徴が元ディズニー・ジャパンの代表であった星野氏の新社長に迎えたことであろう。かつて、鈴木敏夫氏は初対面に近いプロダクションIGの石川社長に、「石川さん、ジブリの社長をやってくれないか」と切り出したことがある(『雑草魂』)。この話を聞くと、鈴木氏はずいぶん前から経営を委ねたかったのであろうが、ジブリ内部、あるいはアニメ関係からではなく、なぜディズニー出身の人間が選ばれたのであろうか。
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