境真良『テレビ進化論 映像ビジネス覇権のゆくえ』(講談社現代新書720円+税)4〜時代の主役となったコンテンツ?
この本の21pに「主役はコンテンツで、メディアはサポーターだというコペルニクス的転換である」とあるが、これはいつそうなったのであろう?誰が決めたのであろう?一応コンテンツ業界に足を突っこんでいるつもりであるが、どこからもそのような話は聞こえてこない。ひょっとして、日本国家百年の大計に基づく深慮遠謀であろうか(主役になりなさいという親切心なのであろうが)。
別に皮肉を言いたいわけではなく、もし本当にそうならコンテンツ業界にとって誠に慶賀すべきことであるがいまいちピンこと来ないのは、どう考えても日本ではメディアの力が圧倒的に強いように思えるからだ。これでフィンシン・ルールのひとつでもおまけに付けてくれたら実感が湧くかも知れないのであるが・・・。メディアより意気旺盛なコンテンツ事業者はジブリやジャーニーズ、よしもとといった強力タレント(才能)を抱えているところくらいなもんである。
境氏はもちろんその辺の事情はよくわかった上で書いておられるのであろうが、やはり日本でコンテンツいえば本来はテレビ局の話をしなければならないはずである。なんせ最強最大のメディアとコンテンツを保有しているところである。はっきり言って日本の映像コンテンツの90%以上(分数計算)はテレビ番組なのであって(資料なしで語っているが、数年前に見た記憶ではそうだった)、それ抜きに日本のコンテンツは語れない。
そして、同時にそれがそのまま日本のコンテンツの持つ大きな問題となっているのである。
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