アニメ夏興行特集1『スピードレーサー』
『マッハGo Go Go』に対するリスペクト精神が溢れた作品
既に気配は秋色であるが夏休みに公開されたアニメについて色々と触れてみたい。
最初の作品はウォシャウスキー兄弟の『スピードレーサー』である。これがアニメかと突っ込まれると返答に窮すが、見るとわかるがひょっとして実写よりCGの方が上回っていると思われる作品である。
映画を見て感じたのは実に原作に忠実であるということだ。もちろん、1967年のアニメ版から比べるとカーレースなどのアクションシーンは圧倒的に迫力があるが、原作を最新映像表現でリメイクするとこうなるということをウォシャウスキー兄弟は言いたかったのではないか。如何にもハリウッド的ど派手な映像となっているがその精神はあくまで原作に忠実である。
それにしてもウォシャウスキー兄弟はよほどこのアニメが好きだったのだろう。至る所に原作に対する愛が溢れているのが散見される。素材としてつかい捨てることが多いハリウッド映画のリメイクでこれほどまで原作をリスペクトしているのは希であろう。公開は大幅に延期されたが『ドラゴンボール』は果たして大丈夫だろうか。
しかしながら、ウォシャウスキー兄弟の熱意も空しくBOX OFFICE的には「惨敗」と言ってもいいほどの成績であった。アメリカで$43,945,766、それ以外の国々で$42,200,000、合計$86,145,766という興行収入は1.2億ドルという予算を考えると如何にも苦しい。日本でも450スクリーン、初動2日間動員7万9,859人で興収1億500万円と公開規模の割には肩すかしの数字であった。最終的に5億程度であったらしいので夏興行としては惨敗の部類に入るであろう。
もっとも、日本のこの数字はある程度予測されていたことではあった。『マッハGo Go Go』はその当時としては出色の出来のアニメであったが、後世の残るほどヒットした訳ではなかったからである。むしろアメリカの方がヒットしたといえる作品であるが、そのアメリカでも興行収入は振るわなかった。その意味でウォシャウスキー兄弟の空回りであったかも知れない。次回作に期待したい。
最新のCGはすごく内容もそう悪くないですが、受けなかったのは題材の選択ミスですかね…
あと、
>120億ドルという予算
これは120億円かと思います(笑)
投稿情報: @ | 2008/09/21 02:19
ご指摘有り難うございます。1.2億ドルでした。それにしても、子どもの頃の夢を実現するのにこれだけお金をかけられるというのはうらやましい限りです。
投稿情報: 増田弘道 | 2008/09/21 15:37