第二部手塚治虫とアニメ
2−3 アメリカでブレイク
ポケモンと冬のソナタ
アメリカにおけるポケモンブームを考えると、どうも日本における『冬のソナタ』のヒットに似ているように思える。
『冬のソナタ』以前には日本でよもや韓国ドラマが大ヒットするなどと考えていた人間はほとんどいなかった。そして、それと同様の感覚を一般のアメリカ人も日本のアニメに対し持っていたであろう。
それを考えるとアメリカ人におけるポケモン以降の日本アニメブームは、ちょうど我々にとっての「韓流ブーム」と同じようなものであった。いまではそのブームも一段落ついているが、日本で韓国ドラマが根づいたように、日本のアニメもアメリカに定着しようとしている。
これは余談であるが、実は韓国ドラマに対し日本のアニメがかなり影響を与えているのである。
日本の文化が制限されている韓国であるが、子ども向けアニメはかなり昔から輸出されており根強い人気を誇っているせいか、韓国の子どもたちも知らず知らずに日本のアニメの影響を受けているようだ。
それについて、『冬のソナタ』の脚本を書いたキム・ウンギョン氏は子どもの頃『キャンディ・キャンディ』を見てメロドラマの原形を学んだと述べている(「週刊新潮」2004年8月12・19日号)。
このような傾向は欧米でも見られ、日本のアニメの影響を受けたクリエーターが世界各地から生まれて来る日は近いであろう。
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