〈手塚治虫とアニメ〉アニメの繁栄を築いた手塚治虫
アニメ人材育成者としての手塚治虫1〜アニメ産業において一大潮流を築いた虫プロ
今日のアニメ産業において手塚治虫が残した功績で、もうひとつ見逃せないのはマンガ同様多くの人材を輩出したことであろう。その中心となったのは『鉄腕アトム』『W3』『ジャングル大帝』『リボンの騎士』『ドロロ』『あしたのジョー』などアニメ史に残る作品を製作した虫プロである。惜しくも倒産したものの、その後この会社を軸としてその後の日本のアニメ界を担う人材を数多輩出した。
一時400名以上の社員を抱え、東映動画と並び立つ存在であった虫プロであるが、70年代に入りアニメ化する手塚治虫の原作が少なくなったことや他プロダクションとの競争激化などにより制作数が減った結果、資金繰りが悪化、1973年に倒産に追い込まれる。
このため、虫プロに在籍していたスタッフは一斉にアニメ業界へと放出された。それらの人々は「虫プロ系」と称されながら、日本のアニメ界の中心で活躍することになり、東映動画、竜の子プロダクション、東京ムービー系などの制作会社と並んでアニメ製作・制作界における一大潮流を形成して行くことになる。
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