昼飯を終えて浙江大学へ向かった。写真にあるように杭州は大都会であるがタクシーから見る西湖は相変わらずビューティフルである。ついでに夜の西湖のライトアップ噴水ショー。音楽に合わせて変化する噴水はなかなか幻想的であり、環境にうるさい日本ではなかなか難しそうであるがもし可能ならば観光資源となるのは間違いないであろう。
浙江大学では夏さんの師匠である王建凌博士のセミナーで講義をした。テーマは日本のケータイ動向についてである。たまたま他のセミナーのために来ていたデジタルハリウッドの高橋さんも居合わせたが、彼も飛び入りで学生に講義するといった具合であった。
思えば中国のアニメ産業を意識しだしたのは、ごく最近、昨年の初めの頃であった。直接のきっかけは遠藤誉さんの『中国動漫新人類』を読みはじめたからであるが、実はもうひとつの理由があった。それは中国の台湾侵攻の可能性についてリアルに考えるようになったからである。
昨年世界第2位の軍事費大国となった中国は、まるでかつての清朝時代の威光を取り戻すがごとく周辺の国々に対する圧力をかけようとしているように見える。そのひとつが台湾侵攻の可能性である。中国に取って見れば台湾は属国でありいつかは直接統治下に置きたいと思っているであろう。そんな状況下、08年3月、台湾に親中政権が誕生、にわかにその話が現実味を帯びるようになった。
もし、台湾が中国の統治下に入るとどうなるか。東シナ海の制海権は中国のものとなれば、日本のエネルギー補給路であるシーレーンが著しく圧迫されるのは間違いない。そうなれば第2世界大戦直前の日本である。
おやまあ、そんなことがとある訳ないと思われるかも知れないが、親中であるオバマ政権が誕生してアジアに対し武力介入する可能性が低くなった現在(クリントン同様日本に全く興味がない模様。民主党政権の常ではあるが)、中国の覇権はかなり現実的なものとなって来たように思える。実際ジャーナリストの日高義樹氏も近著『オバマ外交で沈没する日本』でオバマ政権のアジア政策がそのような結果を招く可能性を指摘している。
戦後なぜ日本は戦争を避けられたかといえば憲法第9条というよりは、それと合わせ鏡となっている日米安保のおかげであろう(というかそうならざるを得なかったからだろうが)。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」と憲法の前文にあるが、これは他国もこのような憲法を掲げている場合のみ有効であって我が国だけがそうであったら只の空念仏ではないか。
現実に昔の丁稚はんの様な名前を付けたミサイルをぶっ放す彼の国の総書記が、平和を愛し公正と正義を旨とするお方には到底見えない。絶対にやってないと言い張った拉致、核兵器開発の経緯を見ていると、オウム真理教そっくりである。そういう相手から身を守れない憲法は如何なものか。
日本にとって憲法は不磨の大典となっているようであるが、日本と同じく敗戦国であったドイツでは戦後制定の憲法を既に51回も改定しているそうな。さすがというか、負け馴れている国がやることは違う。
話は飛んだが、日中間の関係を考えていたときに出逢ったのが『動漫新人類』であり、この本で中国のオタクの存在を知ったのであった。
ckqvdb Excellent article, I will take note. Many thanks for the story!
投稿情報: 1267887701 | 2010/03/07 00:01