急増する動員数であるが白髪三千丈?
アニメフェアの動員数も年々急上昇している。第1回目の総入場者数12万人、2回目は倍以上の28万人、3回目43万人、4回目67万人、そして今年5回目は78万人となったという。
これは東京国際アニメフェア(TAF)13万人(09年)のちょうど6倍である。開催期間(7日間)や杭州市の人口の多さ(666万人、上の写真にあるように大都会です)、西湖を擁する中国有数の観光地であるといった要素(下の写真は夜の西湖のライティングショー噴水。音楽に合わせて噴水が変化)、また省や市の人民政府が学校を休みにして動員を促すなどの効果によるものと思われるが疑問に思われる部分もある。
杭州市の人口は666万人であるから主催者発表の入場者数はほぼ1/10に当たる。だが、冷静に考えてそれだけの市民が子ども向けのイベントに果たして来るのであろうか。東京だったら100万人というレベルの数字になる。
さらに、一般客が入場するのは5月1日のメーデーからの3連休なのでほぼ1日20万人が入場するという計算となるが、もし本当にこれほどの人間が訪れたとしたらTAFにおける経験則上全員の入場は不可能である。あの会場にそれほどの人間は入りきれない。「公式発表」であるのはわかるがかなり吹かし気味であるのは確かである。
同様にその傾向は成約取引額においても濃厚である。主催者発表によるとアニメフェアにおけるビジネス上の成約取引額も増えており、第1回目30億元、2回目37.6億元、3回目46.8億元、昨年が50.5億元、そして今年は65.3億元までなったとある。昨年で言えば34のプロジェクトが成立し50.5億円の交易価値を生み出したという。
今年の成立件数はわからないが取引額は65.3億元。しかし、さすがにこの数字には無理があるように思える。例えば一元=15円で計算すると成約取引額は日本円で979.5億円になる。これは中国の30分TVアニメ制作費の実に19,590話分に相当し(すごく高めに見積もって1話500万円とした場合だが)、制作分数に直すと587,700分にもなる。
これは中国が08年に生産した13万分の4.5倍にもなるが、どう考えても年間の総製作費を遙かに上回る金額がここだけで取引されているとは考えにくい。スタジオの建設費?やライセンス販売、物販の数字といったものも入っているのかも知れないがそれにしても多過ぎる。白髪三千丈の国とは言わないが詳細な内訳があるとリアリティが増すのだが・・・
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