中国アニメの問題点〜多様性の限定
ということで中国アニメの次の問題点である多様性の限定ということであるが、これは要するに大人向けのアニメがないということである。日本から見ると不思議だが世界的には常識なのだが、この大人向けのアニメを定着させない限り、市場的にも表現的にアニメ文化を形成するのは難しい。
ハリウッドのアニメが幅広いマーケティングで成り立っているなら、日本のアニメはその多様性が見所であるとも言える。もし、中国のアニメがハリウッドタイプを目指しているなら別であるが、それと張り合うようなレベルのものをつくらなければならないが、それはそれで流通を含めハードな道である。
ならば作品力を以てして世界に出られる作品をつくらなければならない。そのため、他の追随を許さない多様なストーリー、多彩なキャラ、何でも有りの設定・展開を日本から学ぶべきなのであろうが、規制の問題もありなかなか難しいのであろう。
例えば、日本の近未来ファンタジーアニメなどにはしばしば日本が占領される、あるいは国家そのものが消滅しているなどと言う設定があるが、この想像力が中国で許されるとはとても思えないのである。
要するに未来を描くことを禁じられているのだ。近未来において中国共産党が世界を統一するストーリーなら創作可能かもしれないが、それを見て喜ぶ人間がいるとは思わない。多分クリエーターも面白いとは思わないのではないか。ある種ハチャメチャな想像力が解放されない限り多様性に富んだ面白いアニメを生み出すのは難しいであろう。
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