『ビッグコミック物語』滝田誠一郎
(08年12月/プレジデント社/税別1,524円)
オバQをリメイクしたらいいのに
のっけからオバQのエピソードが紹介されていた。現在の小学館ビルが建てられた当時、藤子不二雄の『オバケのQ太郎』が大ヒットしており、そのせいで「オバQビル」と呼ばれたそうだ。
オバQで得られた商品化収入は当時のお金で2億円(ちなみにアトムは4億円)だったので、「建設費の二〇%にも満たないが」と書かれているが、雑誌の売り上げ増なども考えるとかなりの貢献度ではなかったか。
ビルが建つほどのヒットで有名なのはポニキャンの「たいやきビル」である。昔よく行ったことのあるビルだが、こちらはあながちウソではないように思える。作詞作曲は買い取り、童謡という事で物品税もかからずメーカー丸儲け。レコード売上は500万枚、さらに音楽出版の収入なども莫大であったろうからやっぱり「たいやきビル」である。
さらに余談は続く。
オバQと言えば思い出すのは主題歌。ダニー飯田とパラダイスキング(坂本九と九重佑三子が在籍していた)のボーカルであった石川進(若死にしてしまったが)が唄っていたのであるが、「キュー、キュー、キュー」という印象的な唄い出しはじまるこの歌はゲゲゲの鬼太郎と並ぶアニソンの最高峰であると思う。
おや、肝心の本を紹介する前に既に一回分くらい書いてしまった。そろそろ止めるが誰かオバQをリメイクしないかな。絶対面白いと思うのだが。「封印」されているという話もあるが早期リメイクを望む。
いやいや、ここで終わってはいけない。本の紹介をせねば。
ということで、ビッグコミックの創刊ストーリーである。創刊は1968年(出た時の事を覚えている)。大手出版社の小学館が手がけた事からわかるように。既にこの時代には大人向けのマンガが一般化していたのである。ここに日本のアニメの秘密が隠されている。
この本を読んでいると、思うに雑誌編集者はプロデューサーである。実際、ジブリの鈴木さんもポケモンの久保さんも雑誌編集者である。角川春樹さんも徳間康快さんもしかりである。ソトコトやっている小黒さんも側で見ていたがプロデューサーであった。
最近、編集者とマンガ家の関係性について色々言われているようである。確かに日本の編集者とマンガ家の関係は特殊である。見る限りタレントとマネージャーの様である。この辺の話を展開すると終わらなくなるので畳んでしまうが、アニメパワーの源泉にマンガの存在があるのは確かであり、その視点で見た場合欠かせない一冊である。
(Twitterならぬ、Boyaitter)
オバQの原点はやっぱりキャスパー・・・
石川進氏は御存命ですよ。
投稿情報: About | 2010/02/02 10:25