『漫画描き方入門じゃありません』
藤島康介(09年6月/講談社/税抜790円)
『10年メシが食える漫画家入門』
樹崎聖(09年6月/講談社/税抜819円)
現役マンガ家のノウハウ
二冊ともアフターヌーン新書である。ポップカルチャー系の本が多い(というかそれしかない)この新書を買う率は高い。
ということであるが、藤島さんの本はマンガ家になった経緯を中心としたノウハウ本である。一方、樹崎さんはマンガ雑誌の傾向と対策からデッサン法までかなり具体的である。相当基礎をしっかりやっておられると見受けたが、藤島さんも同様で、そこがかなり重要なのではないかと思った。
現在、アニメや美術のスタジオを訪れて人材育成についてのインタビューを行っているが、人材を輩出している会社ほど「基礎」という言葉を聞く機会が多かった。
スタジオワイエスの池田さん、スタジオライブの芦田さん、小林プロダクションの小林さんなどが繰り返し強調していたのが「基礎」「基本」であった。それぞれのお話の内容自体、一々合点がゆくものであったが、これらの会社で働いた経験を持つ人間の業界残存率を考えると大きな説得力を持つ。
同人誌を含めてそうなのだが、一目見て画がおかしいと思うマンガはおそらく基礎が出来ていないのであろう。私にマンガの基礎がある訳ではないが、それは本来人間に備わっている感覚(自然界にあるルール)でそれを理論化したものが基礎や基本と呼ばれるメソッドであろう。スポーツを見ればわかる様に基本の効用は大きい(全然本の紹介になっておらんな。いつもながら済みません)。
(蛇足ながら・・・)
アニメの世界もやはり「重いコンダラ」(わからなければ済みません)の世界なんですね・・・
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