『タイアップの歌謡史』清水健朗
(07年1月/洋泉社新書/税抜780円)
テレビと音楽の関係
またもや音楽関係本であるが、今回で最後。と思って本棚を見たら「音制連20年史」が残っていた。これははずせないので次回まで音楽です。と思って再度見たらまだあったのでしばし続く。
ということで少し古い本であるが、音楽のヒットとテレビの関係について述べられている。「カチューシャ」や「東京行進曲」と映画とのタイアップからはじまるが、その意味ではメディアとヒット曲との歴史である。今のテレビに変わる存在が映画だったのだ。
ナベプロが日本で初めてプロダクションとして原盤製作を行ったのは1961年であった。また、本書には書いていないが音楽番組を自社(自主)製作するなどエンタテインメントにおけるビジネスモデルを幾つか創出している。
映画からテレビの時代となり音楽のプロモーションもドッとそちらへ移行する。ある意味、60年代以降のヒット曲はテレビから生まれて来たと言ってもいいだろう。もちろん、フォークやニューミュージックの様にテレビというメディアと無縁の世界で育った音楽もあるが80年代に入るとほとんどテレビによるプロモーションに統一されて行く。こちらの方が効果が高く効率的であるからだ。
その結果、音楽ビジネスは急速に成長98年には過去最高のCD売上を記録する。だがこれまで。以降、成長して来た速度と同じ様なペースで売上がダウンするが、これは流行のトレンド敏感な音楽ユーザーがテレビからネットなどへシフトして行くのを捉えきれなかったからであろう。
これと同じ轍をアニメ業界も踏みつつあるのでは。もともと、メディアの行き先やビジネスに対しセンサーがあるとは言えなかった業界である。従って、テレビのメディア力が落ちれば、同じ道を辿るのはある種当然の事かもしれない。
(蛇足ながら・・・)
アニメもライブの道を追いかけますか・・・
コメント