微妙なCartoonキャラ
『プリンセスと魔法のキス』を観た。04年に公開された『Home on The Range』以来のディズニーセルアニメ作品である。現代は『The Princess and the Frog』で、日本においてはこのタイトルの直訳では無理である。
アメリカでの興業収入は$104,400,899。微妙な数字である。1億ドルに届いてはいるものの、ピクサー制作の作品からすると明らかに物足りない。しかもThanks Givingでの公開である。要するにコケたと言ってもいい数字であり、そのため日本での公開もひっそり?行われた節がある。
見所は多い作品である。今やディズニーのクリエイティブトップとなったジョン・ラセターの肝入りでつくられたディズニー・クラッシック(ディズニー本体制作)のセルアニメ。その復活は従来の手法とはずいぶん異なっていたと聞く。
セルアニメと言いながら、工程はほぼ完全デジタル(鉛筆レス)。CGで培われたテクニックが随所に垣間見られ、日本のアニメ制作に大きな示唆を与えるのは間違いないはずだ。
だが、しかし、いまいちピンと来ないのも確かだ。「華麗」としか言いようがないテクニックであるが、今考えると大したことないCGであった『美女と野獣』の時のような驚きはない。完全にCGに眼が慣れてしまっているようだ。
あとはストーリー。さらにキャラクター。それを言っちゃお終いよとなるが、やはりこの二つの問題は大きい。ガラパゴス・ジャパンの民草は黒人のピリンセスに対し馴染みが薄い。さらに、Cartoonキャラそのもののフロッグを長時間見せられた日には、さすがに飽きる(ピョン吉の方がプリティかも)。次回作に期待したい。
コメント