アニメ産業の基礎資料
2000年前後からポケモンに表象される日本製アニメの世界進出があった。その後、そうしたアニメの水流が汲み取られた知財立国宣言があり、以降アニメ産業に対して積極的な振興策が採られるようになる。
しかしながら、本来ならその基礎データとなるべき産業資料が、アニメ産業においては極端に不足している。かねてより日本のアニメ産業についてその実態を明らかにしたいという思いがあり、07年に『アニメビジネスがわかる』という本を上梓したのであるが、基礎中の基礎となる企業データの統計は手つかずのままである。
日本のアニメ産業を構成している企業が一体何社ほどあるのか、いや、それ以前に産業の定義自体が出来ているのか。そういった根本的なレベルでの思考、定義での論議はほとんどなされていない。これでは、アニメ産業の研究は覚束ない。
ということで、機会があればアニメ産業の大本までさかのぼってみたいと常々思っていた(鮭の川上りの様にルーツにたどり着きたいと思うのは北海道生まれのせいか。思い起こせば小学校の頃から「社会」が好きだった)。済みません逸れました。
そんな折り、昨年、経産省からの受託事業として日本動画協会が「アニメ産業コア人材育成事業」をやることになった。その際、企業における人材育成の実態を調査するアンケートとヒヤリングが行われることとなり、是非やりたいと手を挙げたところ幸いにも指名されることとなった。そして、その際に、最低限ではあるがアニメ企業のデータが取れる質問事項を入れようと思い立ったのである。
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