アニメ企業の姿
アニメ企業の存続年数、資本金、従業員などの基礎データを見てきた。これらを振り返って言えることは、日本のアニメ企業は押し並べて規模が小さいということである。あらかじめ予測されたことであるが、実際統計として表してみるとそれが実感できる。
対象企業の補足率がどれほどかわからないが、制作系、美術系の企業のほとんどが資本金1,000万円以下である。また、自他共に認める日本最大のアニメ制作企業東映アニメーションにしても、資本金28.6億円、従業員320名(単体、連結548名)、売上209億円(平成23年度3月決算)である。
東映アニメーションに続くのは、サンライズ、トムス、プロダクションIG、スタジオジブリ(映画の公開時期によって売上が上下すると思われるが)、ぴえろといった会社であると思われる。おそらく、これら売上上位10企業でアニメ制作企業全体売上の半分以上を占めているものと思われるの。もちろん、上企業は資本金も従業員も多い。それを考えると、ほとんどの日本のアニメ制作企業の規模(資本金、従業員、売上)はかなり小さいと推測される。
いわゆる「グローバル化」が進む中、この様な企業実体を持つアニメ産業の未来をどう考えるか。それは、「グローバル化」に耐えうる戦略があるか否かということであろうか、正直、日本においてはトップ企業であってもそれを支える企業体力を持っているとは言い難い。
テレビやDVDといった既存のプラットフォームに基づいたビジネスモデルが機能不全に陥りつつある中、アメリカ勢によって次々と新しい映像プラットフォームが提案されている。日本で世界的なプラットフォームといえば、多分Animax(ここも大本は日本企業であるが実態はハリウッド)だけである。
「グローバル化」の行き先を考えると、おそらく日本のアニメ制作企業も、もはやこれ以上スタンドアローン状態を保つのは難しいであろう。資本、メディア、IT系プラットフォームなどとどう付き合うのか真剣に考えなければならない時期に来ているのはないだろうか。
コメント