『昭和子どもブーム』
(大﨑悌造/10年8月/学研ビジュアル新書/税別933円)
昭和子どもブームとはテレビブームなり
先々週の土曜日、4月からアニメ産業について教えることになった映画専門大学院大学でホイチョイプロの馬場康夫氏の話を聞くことが出来た。同年齢ということもあって非常に興味深い指摘の連続であった。
氏曰く、1954年生まれの我々は全くのテレビ世代なのだそうである。立ち見など当たり前、時にはドアが閉まらないといった映画館の記憶もあるが、氏の発言で今まで何となくそうじゃないかと思っていたことがはっきりした。
ということで、この本であるが、書かれてあるのは正確に言うとテレビによって巻き起こった子どもブームである。時代的にはテレビが普及した昭和30年代以降が中心である。
この本によるとテレビヒーローの第一号は『月光仮面』だそうである。それから、『少年ジェット』『まぼろし探偵』『七色仮面』『豹(ジャガー)の眼』『海底人8823(ハヤブサ)』『怪傑ハリマオ』『アラーの使者』『新七色仮面』『ナショナルキッド』と続くのだそうだが、『アラーの使者』『新七色仮面』は見ていた(やはりテレビっ子第一世代だ)。
これらの実写ものヒーローは『鉄腕アトム』がはじまる頃にはほとんど姿を消しているが、自分の原点はアトムではなく多分これらの番組にあるのだと何となく納得してしまった一冊である。
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