第四章&五章「激動の10年 テレビアニメ篇 劇場アニメ篇」12
ジブリの位置付け2
ジブリマジック
では、なぜ今回50億円を切るという結果が出たのであろうか。『ゲド戦記』の後遺症という見方も根強くあるようだが、根本的にはジブリマジックが昔ほど効かなくなっているからではないだろうか。あるいはジブリのブランド力。
ジブリマジックとは、要するにジブリだから見に行くという魔法(刷り込み)である。ナウシカ、ラピュタ、トトロ、魔女宅を見て育った子どもたちや、もののけを見て驚いた人たちなどに、ジブリマジックは深く浸透した。それがあって、2001年の千と千尋の興収ピーク以降もジブリ映画は安定した興行収入を残せていた。
しかし、今回のコクリコでその魔法が少し解けかかっているのではないかという印象を受けたのは、おそらく私だけではないだろう。昨年のアリエッティは92.5億円。まだまだ大丈夫と思っていたのだが、今回の数字はさすがに気に掛かる。
いったい、ジブリに何が起こっているのだろうか?
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