(2012年4月/飯田一史/青土社1900円税別)
ラノベ市場の概要がわかる本
ラノベについては勉強不足なのでと思って読んだ本であるが、色々教えられることがあった。作者は本年30歳になる新進の文芸評論家である。
ライトノベル市場は2010年度で316億円とのこと。コミックの1/10程度であるが、最近の躍進振りはアニメ化原作の多さを見れば分かる。 筆者はそのラノベに対し「四大ニーズ」の視点からアプローチし、ベストセラーの理由を探る。
そして、具体的な書籍を取り上げ分析することでそれを検証して行く。 コミックにしても、このようなアプローチは今まで余り見られなかったのではないかと思う。その意味では十分評価に値すると本であると思う。
それにしても、角川がメディアファクトリーを買収したことによって、市場は一気に寡占化することとなった。両社の実質的な統合はまだ行われていないようだが、実際そうなるとどういった事態が生じるのであろうか(統合しないかも知れないが)。
いずれにせよ、アニメ産業としてはラノベの動向から目を離せないのは確かだ。
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