アニメと音楽ビジネス (10)〜製作費の中から音楽制作費が消えた
なぜ1980年代以降主題歌とアニメの内容が分離しはじめたのであろう。主題歌の中にタイトルやキャラクターの名前が出て来ない。『CAT'S EYE』はそのままだが、歌詞は巧みにアニメの内容をはずしているので、この歌だけ聴いてもアニメの主題歌とわかる人は少ないのではないか。
なぜそうなったのかといえばそれはおそらく「制作費」の問題であろう。つまりは音楽制作費が別立てになったためにそのような現象が生じてきたということなのだ。実際『うる星やつら』に関してはサントラも含め音楽制作費に関しては一切レコード会社の方から出ていたはずであるから(と言うか出ていた)。当然番組のOP/EDの利用権はメーカーの手に渡るから、彼らとしてはOP/EDの1分半×2枠が楽曲プロモーションのスポットであると理解する。
多分1980年代から製作・制作費の中から音楽予算が完全に抜け落ちるようになったのではないだろうか(劇場アニメは別として)。レコードメーカーがこの予算を持って貰えるなら製作者としては大助かりである。
であるが、現在のマクロスFやガンダムなどのおける音楽関連ビジネスの展開を考えると果たしてその判断は正しかったのであろうか。国内、海外のJASRAC楽曲売上を見るとその疑問は一層強まる。
コメント