坂啓典『紙でつくる手塚治虫キャラクターズ』
(07年/集文社/1,470円)
懐かしくもあり、新しくもあるペーパークラフト遊び
今回はアニメビジネスからは外れるが、手塚治虫がらみのとても楽しい本を紹介したい。正確には「ペーパークラフト本」となるが、実際に手塚治虫のキャラクターをペーパークラフトでつくる本である。本の半分はつくり方の解説、残りの半分はペーパークラフトの型紙になっており、「鉄腕アトム」、ジャングル大帝の「レオ」、ブラック・ジャックの「ピノコ」、「火の鳥」、そしてあの「ヒョウタンツギ」などがつくれるようになっている。
クラフトペーパー作家である作者の坂氏は本来デザイナーでもあり、本の装幀(教科書である)など幅広い仕事を手がけている。それらの仕事ぶりは氏のサイト、「紙工房」を見ると紹介されている。
手塚作品の他にも鬼太郎やムーミンなどの著名キャラクターといった作品もあるが、恐竜や世界遺産といったオリジナル遺産もあって楽しい。
http://www.zuko.to/kobo/
坂氏は手塚治虫の大ファンだそうである。五年生の時『火の鳥 黎明編』を読んで天と地がひっくり返るような衝撃を受けて以来、手塚治虫に対しては猛烈な思い入れがあり今回の仕事も非常も楽しく出来たそうだ。もし、機会があれば新たな手塚キャラに挑戦したいとのことである。
実はこの坂氏とは実に偶然であるが、同じ集合住宅の住人なのである。杉並にある六世帯しかない小さな共同住宅に一昨年から住んでおり、私がB1と1F、坂氏が2Fと3Fに居を構えるという立体的な関係?である。この手塚キャラのペーパークラフトの話も本年度の組合長である坂氏邸で行われた住民総会で発売前に知った。私も手塚ファンなので話がすぐに盛り上がった次第。私の方も生誕八〇周年を迎える手塚治虫の業績を再評価する本を執筆したいと思っている。
ペーパークラフトに対しては自分が納得するものを形にしてゆきたいと述べていた坂氏だが、これを見たらいろいろ声がかかるのではないかと思う。ペーパークラフトにすると面白そうなキャラが幾つも思い浮かぶ。次の作品が楽しみである。
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