日本のアニメの付加価値を出す1〜グロスとネットの定義
『アニメビジネスがわかる』で挑戦してみたかったことのひとつとして、日本のアニメビジネスがどれほどの付加価値を持っているか探りたいということがあった。付加価値というと大げさに聞こえるが、要するにアニメ業界(製作者)としてどれだけ儲かっているかと言うことである。これがわからないと、アニメ市場といってもどの段階での売上なのか(卸売りなのか小売市場なのか)わからない。
これは日本の産業全体に言えることであるが、今後日本の経済が更なる発展を遂げるためにはより高い付加価値のビジネスの展開が必須である。日本のアニメは果たしてそれに耐えうるのか探ってみたかったのである。
それにはまず売上の定義が必要である。要するに誰の何の売上かを決めなければならない。この本の基本となっているのはアニメの製作主体となっている「製作者」(アニメ業界)の売上である。
アニメ業界(製作者)の付加価値はアニメ業界の年間売上から年間製作費を引けば出る。さらに、アニメ産業における全体売上(グロス売上)からアニメ業界売上(ネット売上)を引くことで流通付加価値も出る。ということで、製作費や売上の算定に入った。
その結果出た数字が、アニメ製作費530億、アニメ製作者売上1,079億、アニメ産業全体売上1兆6400億というものであった。
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