アニメビジネスとYouTube
YouTubeはアニメビジネスにとって無視できない「メディア」に育ちつつあるようだ。今月に入り角川グループやGDHがYouTubeと提携するとういニュースが伝えられたが問題の本質はかなり深い。
おそらくYouTube(あるいはインターネット上の映像ファイル交換)の持つ威力をまざまざと見せつけられたのは『ハルヒ』におけるケースであろう。アメリカで『ハルヒ』はオンエアーされていないノン・プロモーション作品となるが、そのDVDが6万セットも売れたのはネット上の賑わいによるものであったのは明らかで、パッケージ売上を損ねるどころか大きく促進する結果となった。
コンテンツの存在を知らしめるためには相応の経費がかかる。なぜテレビでアニメをオンエアーするかといえば作品の認知度を高めるためだ。そのために製作者が自ら提供スポンサーになる場合も多い。
ところがYouTubeが今回コンテンツホルダーに提案しているのは、逆にお金がもらえるビジネスモデルだ。サイト・スポンサーのクリック数に応じて広告費が分配されるのである。もし今後YouTubeの媒体力が強まれば製作者にとってこんないい話はない。少なくともプロモーションに頭を悩ませるOVAに関してはこの手法への挑戦は大いに意義があるものと思われる。
YouTube(Google)と提携すると自社コンテンツとバッティングする(違法)映像を任意で排除できる。作品にとってメリットがあると思われる映像は残せるのだ。こうして聞くと製作者にとってデメリットはひとつもないように思える。YouTube自体が未体験ゾーンを突き進んでいるので今後どのようなリスクが待ちかまえているか予測できないが、今後のアニメウィンドウを考える上で大きなポイントとなるのは間違いないであろう。
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