勢いを増す音楽配信〜アニメ配信の将来は?
今週日本レコード協会から2007年1月〜6月までの有料音楽配信の売上実績が発表された。これによるとPCとケータイ向け有料音楽配信の総額は351億9300万円と前年比42%増となっている。
http://www.riaj.or.jp/
日本の音楽配信で特徴的なのは9割がケータイ向けと圧倒的に強いことである。海外ではiPodに代表されるようにPCを通じての配信が主流だが、iフォンが爆発的に売れているので今後ケータイの比率は高まる可能性が強い
急速な成長を見せている音楽配信であるが、それでもパッケージ(CD)市場の落ち込みをカバーするには至ってない。配信ダウンロード数(2億2590回)はすでにシングルCD(3082万枚)を大きく凌駕しているにもかかわらず金額をカバーできないのはパッケージ1,000円前後、着うた(フル)300円に代表される料金の差によるものであろう。
さて翻ってアニメ配信はどのようになっているだろう。この分野のアグリゲーターとして圧倒的なシェアを誇るバンダイチャンネルが2006年に提供した有料アニメ番組は1,600話である(バンダイナムコ決算資料)。2004年に500万部、2005年には1,000万話であったから非常な勢いで伸びていることがわかる。
現在この数字のほとんどがPCへの提供によるものであるが、ここに今年から来年にかけて市場形成されると思われるケータイによる配信が加わってくるものと思われる。
昨年から開始されたケータイアニメ配信は今年に入ってから本格化しており現在急激に配信サイトが増加している。一番最初に配信をはじめたフロントメディアをはじめとして、ISAO、ディズニー、バンダイネットワークス、MTV、NTTレゾナンス、東北新社、Gyao、東映アニメーション、角川書店、アクセルマーク、ニフティ/三井物産といったIT系からコンテンツ・ホルダー系まで多彩な企業が参入している。
音楽配信ではケータイが圧倒的に強いがアニメに関しては全く逆である。配信開始が遅かったという理由もあるが果たして今後どうなるのか。あんな小さな画面じゃ誰も見ないと思われていたが、現状ではかなりの勢いで視聴者を増やしており、アニメ配信事業を実際やっているものとしては確かな手応えを観じているところである。
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