右肩上がりのアニメビジネス4〜アニメブーム巻き起こる
1963年、フジテレビ『鉄腕アトム』の大成功に刺激され他の放送局も次々とアニメ番組放映を開始した。アトムから遅れること10ヶ月、TBSで『鉄人28号』が、次いで『エイトマン』(TBS/TCJ=現エイケン)、『狼少年ケン』(テレビ朝日/東映動画)がテレビに登場、いずれも子どもたちの心を捉えた。
こうして1960年代中盤からにわかに活況を呈し2年後の1965年には一気に14もの新作テレビアニメが登場することになる。本格的なアニメブームの訪れである。
これ以降、テレビを中心としたアニメの製作数は増加の一途をたどる。それに伴いアニメ関連企業が増加し1960年代には現在のアニメ産業を担う主要製作会社がほぼ出揃うことになる。
それらはテレビアニメ以前から存在する東映動画、虫プロ(1973年倒産、多くの系統会社が誕生)、東京ムービー(現トムス)、TCJ(現エイケン)、竜の子プロダクションなどであるが、1970年頃よりここから派生、あるいは分かれ出たり人材の系譜を引いたスタジオが続々と誕生した。シンエイ、サンライズ、マッドハウス、グループタック、日本アニメーション、すたじおぴえろ、スタジオジブリ、プロダクションIGなどである。そういう意味ではアニメ業界は「1960年体制」のまま現在に至っていると言えるだろう。
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