海外における放映事情8〜アメリカに見る放送基準3
レイティング
広告の次はレイティングである。視聴対象によってビジネスのスキームが違ってくるのでこのレイティングはつくる側にとって重要な意味を持つ。
3テレビ番組の格付け(レイティング)
①Y(All Children)/全ての子ども向け
全ての子どもが視聴可能だが、特に二歳〜六歳児までの子どもに向けて制作されている番組。幼児が怖がるような要素のない番組。
②Y7(Directed to older Children)/年長の子ども向け
七歳以上の子どもが対象。現実と虚構の区別ができる子供に向いている。この番組は軽い空想上の暴力やコメディタッチの暴力を含んでいるため、七歳以下の子どもが怖がる可能性があり、両親は幼児に適しているかどうか考慮する必要あり。
③Y7/FV(Directed to older Children-Fantasy Violence)/空想上の暴力要素を含むY7のカテゴリーの中で、空想上の暴力要素が強いもの。
④G(General Audience)/全ての年齢層向け
全ての年齢層に向けてつくられており、特に子ども向けというわけではないが子どもが見てもよい番組。暴力シーン、乱暴な言葉、性的な会話はほとんどない。
⑤PG(Parental Guidance Suggested)/親同伴で見るのが望ましい
この番組は中程度の暴力シーン、軽い性描写、荒い言葉などが含まれているなど、親として幼児が見るのには相応しくない部分があるので親同伴で見るのが望ましい
⑥14(Parents Strongly Cautioned)/親の注意が必要な番組
一四歳以下には相応しくない番組なので、親の同伴なしに子どもが見ることに最大限の注意を払う必要性がある。
⑦NA(Mature Audience Only)/成人向け
成人向けにつくられているために一七歳以下には相応しくない番組。
このアメリカのレイティングを日本のアニメに適用すると①はNHKの児童向きアニメや土日の午前中にやっているアニメということになるだろう。②はゴールデンタイムで放映されるようなものであろうが、ロボットものやバトルシーンが多い場合子ども向けとは見なされないであろう。そのため日本では子ども向けとなっているがアメリカでオンエアーされない作品が結構ある。
④のG(General Audience)/全ての年齢層向けは日本では『サザエさん』のような作品になるであろう。幼児・児童向けアニメを除き日本製のアニメはこれ以上のレイティングに分類される場合が多い。数量的に多い深夜帯のアニメはほとんど⑥か⑦に分類されるであろう。
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