サムライアニメ2作〜『ストレンヂア〜無皇刃譚』VS『アフロサムライ』その1
「チャンバラ」をテーマにした劇場アニメ2作品が同時期に現れた。9月30日に公開になった『ストレンヂア〜無皇刃譚』と10月27日公開の『アフロサムライ』である。つくったのはボンズとGDHという若くて元気なアニメ制作会社であるが、なぜ今チャンバラアニメを目指したのであろうか。
『ストレンヂア〜無皇刃譚』のボンズは、『鋼の錬金術師』『交響詩編エウレカセブン』『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』などの作品を制作した意欲的な独立系新興制作会社であり、業界での期待値は非常に高い。そのボンズがどのような意図で時代劇に挑戦したのか、正直見る前はその動機や必然性がつかめなかった。
『ストレンヂア』の大きなセールスポイントは主人公の声優にTOKIOの長瀬智也を起用していることである。しかし実際に作品を見るとモチベーションはアニメとして限界に近い動きを見せることにあるのがわかる。要するにアクションアニメなのである。アニメーターとして大きな実績を持つ監督らしく、今どきこれほどのアクションを見られるアニメはない。
しかしながら、それは同時に作品の弱点ともなっている。つまり動きはよく見えるのだが話がよく見えないということである。アクション映画だと思って割り切れば満足できるだろうがストーリーを「観る」人間にとっては食い足りない作品であるのは確かである。
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