アップルシード2『エクスマキナ』
10月20日から公開された『エクスマキナ』を見に行った。このタイトル、アニメ関連メディア情報10で紹介した『ベクシル 2077年日本鎖国』もそうであったが覚えにくい。パンフレットを見ると「Deus ex machina(デウス・エクス・マキナ/「機械仕掛けの神」の意)」とうラテン語からの引用とあったが、事前のコンセプト・プロモーションが足りなかったせいか、内容の説明になっておらず何ともつかみどころがなかった。
やはり「アップルシード2」をタイトルに入れた方がよかったのではないか。前回よりかなりグレード・アップし、『ベクシル2007年』とは一線を画す出来栄えとなっているのに、どうも認知度がいまいちと思われるのはそのためではないだろうか。
さらに言えば、プロデュースは『M:I-2 ミッション・インポシブル2』のジョン・ウー、音楽監修はYMOの細野晴臣、衣装デザインが「プラダ」の創業者の孫であるミウッチャ・プラダといったプロモーショナルな要素も宣伝に活かされていなかったように思える。
とは言え、今回のエクスマキナの存在自体にインパクトが感じられなかったのは、3Dを取り巻く状況が大きく異なってしまったことも考えられる。アップルシードが公開された2004年においてはその存在は確かに先鋭的であった。そのため興行的にもまずまずの成績を残し、ビデオグラムのヒットに繋がったのであろう。しかしながら、2007年の現在においてその映像は必ずしも新鮮とは言い難くなっているのは確かである。
3Dでリアルの人間を描こうとするのは2001年に公開された『ファイナルファンタジー』以来の伝統でもあが、この手法が日本独自のアニメ表現(果たしてアニメといえるかどうか難しいところだが)として発展するかどうか成りゆきが注目されるところである。
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『エクスマキナ』のプロモーションは、なぜあんなにも消極的なのものなのでしょうか。もっと、積極的に打ち出していかなければならないのではないかと思うのですが、よくわかりません。資金の問題でしょうか?それとも、何か別な狙いがあったのでしょうか?
逆に、というと失礼かもしれませんが、『ベクシル』の方がまだ、認知度が高かった気がします。
『エクスマキナ』は、どう売り出したいのか、どのように展開していきたいのかがよくわからない作品だと思いました。
投稿情報: じゃば | 2007/10/26 16:12
おっしゃる通りだと思います。
『ベクシル』の時は、「アップルシード」以外にも3Dアニメ挑戦しているチームがいるのだと思って注目したのですが、『エクスマキナ』に関してはいまいち注目度が低かったような気がします。良くも悪くも「アップルシード2」をもっと前面に打ち出すべきであったと思います。
これはおそらく『イノセンス』が攻殻機動隊の名前を敢えて被せなかったのと同様の理由かも知れません。
投稿情報: 増田 | 2007/10/26 17:36