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2007/10/31

コメント

じゃば

日本人が1年で映画を見る平均回数が1~2回と言われている中で、一般の人(普段アニメをあまり見ない人)が見る映画はアニメであることはほとんどなく、さらにたまたま見るアニメ映画は、ジブリかディズニーに流れてしまえば、クールアニメ系作品の興行が成功することは難しいですよね。
『イノセンス』や『スチームボーイ』など20億円以上の製作費がかけれてた作品は、興行収入が10億円前後でも、2次利用以降で、成功といえるだけの利益を上げることができているのでしょうか?

増田

増田です。

『スチームボーイ』『イノセンス』では製作費が大きく異なるため何とも言えませんが、前者の方はおそらく採算には至ってないと思います。完成までに10年ほどかかってますので、ある意味でジブリ並みの製作費になっていると思われます。

仮に製作費25億とすると、興行だけなら興収70〜80億ないとペイできません。もしDVDだけで回収しようとすれば価格にもよりますが100万枚以上の売上が必要です。

イノセンスの場合、おそらくスチームボーイの半分以下の製作費だと思いますが、それでもハードルは十分高いです。

現状、クールアニメ路線では3億以上の製作費をかけると採算が厳しいのはないかと思われますが、この種の作品をキチンとつくろうと思えば、その予算では「ウーン」と唸ってしまうところでしょう。

アニメに限ったものではないですが予算と採算は常にせめぎ合っています。

マグナカルタ

増田先生、はじめまして。
エヴァンゲリオン新劇場版の興行収入ですが、アメリカの映画情報サイト「BoxOfficeMOJO」によると、先週10/28終了時点において1534万3699ドル(約17億5000万円)と報告されています。
http://www.boxofficemojo.com/intl/japan/?yr=2007&wk=43&p=.htm

このサイトの数字の信憑性ですが、先週終了時のHEROの興行収入が6684万1617ドル(約76億3000万円)と出ています。
10/26にフジテレビの社長記者会見があり、こここで25日の段階でHEROの興収が75億円と公表されています。
http://www.c-direct.ne.jp/japanese/uj/pdf/10104676/00065555.pdf

一方、上記のサイトではHEROの27日28日二日間の週末興収を94万8634ドル(約1億800万円)と出していますから、数字を合算し平日金曜26日の数字を推定するとほぼ合致するので、このサイトの数字は比較的信頼できると考えられます。

エヴァが現段階で17億5000万円を稼いでいるとすると、増田先生の数字とはずいぶん離れます。もしかすると配給収入かなとも思いましたが、仮に配給側の取り分を6割としても累計興収は21億7000万円になり、これも上記サイトの数字から今後予想される伸び分に比べて過大な数字に思えます。

BoxOfficeMojoと増田先生の数字のどちらを信じるべきか、一ファンとしては判断がつきかねております。増田先生のご助言をいただければ幸いです。

増田

増田です。

マグナカルタさん、ご指摘有り難う御座います。私が関係者から聞いたのは先週のことで、おそらくそれ以前の最終予測であったと思われます。

確かに開きがあり、おそらくご指摘のサイトの方が実勢に近いかも知れませんが、正式な発表を待ちたいと思います。

もし、18.8億以上の興行収入があれば、ジブリ作品、テレビ番組の劇場版(と前回のエヴァ作品)を除き、ここ10年間で最高の数字であった「あらしのよるに」を抜く快挙になると思われます。

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