『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』が見せた可能性②
『スチームボーイ』『イノセンス』の興行収入によって、はからずもアニメファン層の数量的限界が証明されてしまった訳であるが、今回のエヴァンゲリオンではその数字を超えた。果たしてこれはエヴァブームの余韻醒めやらぬ1997年に公開され、11億円の配給収入(推定興行収入18億円〜19億円)を上げた『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 シト新生』の時の観客が再び戻ってきたからなのであろうか。
実は前回と比べて観客層大きく異なっていたのは女性客が増えたことである。関係者の話によると観客の約30〜40%が女性であったらしい。そのせいか中学生から大学生までの若いカップルや仲間連れが目立ったとのことだ。そして、TVシリーズ当時からのエヴァンゲリオンのファンと思われる層は20%〜30%程度で予想よりかなり少なかったとのことである。
今回のエヴァでは観客層にかなり新陳代謝があり、新しい観客、特に若い層の動員に成功した。これは放映から12年間が経過していることを考えれば驚異的である。では、なぜエヴァは新しい層の獲得に成功したのであろうか。新世代の観客層を獲得してのこの数字は見事というしかないが、実はここに庵野監督も言っているように現在のアニメビジネスが持つ問題があるのだ。
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