アニメ右肩上がりの要因2〜メディアの発展による牽引効果
2.3メディアの増加・多様化②〜深夜アニメの時代
1990年代に入り様々なメディアが誕生する中、アニメの発展に最も寄与したウィンドウが深夜アニメであった。
アニメ放映といえばゴールデンタイムか土日の午前中にしかなかった1997年(今思えばエヴァンゲリオンも夕方6時代のオンエアーであった)、テレビ東京で深夜アニメ枠が開発されたのがきっかけとなり、他のキー局も順次深夜枠をアニメに開放していくことになる。
その結果、翌1998年にはテレビ東京を中心に早くも前年度(12タイトル)の倍に当たる23作品ものアニメが深夜枠(WOWOW含む)でオンエアーされるようになった。このように深夜に設けられた放送枠が、『エヴァンゲリオン』のヒットに刺激された製作者の作品群を受け止めてゆくことになる。また、本来OVAでしか許されなかった表現がこの枠では可能になったため、そちらの企画も怒濤の如く深夜帯に移動した。
さらに、同時期に首都圏のUHF局やWOWOWのノンスクランブル枠でのアニメ放映も本格化した。その上、「キッズ・ステーション」や「アニマックス」、「カッーン・ネットワーク」、「アニメシアターX」といったCS専門アニメ専門チャンネルの開局も相次ぎ、新作タイトルの大幅増加につながってゆく。
そして今世紀に入ってからはBSデジタル局の誕生、インターネットやケータイでの配信も本格化するという状況になった。1990年代末から現在にかけての新規ウィンドウの拡張で、アニメ製作に一段と拍車がかかったのは間違いない。
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