2007年を振り返る⑫〜「海外劇場アニメに減少傾向」その3
06年のアニメ「大量発生は」ピークではなく一時的な現象か
大量の劇場3Dアニメが公開された2006年度のアメリカであるが、翌年2007年どうなったかというと作品数がほぼ半減した。だが、しかし、よく見るとその前年の2005年度から比べるとかなり増えているのである。さらに、今年2008年はユニバーサルも3Dアニメ市場に参入することもあり、現時点で2007年より公開数は確実に増える予定である。つまり、2006年を除けば3Dアニメの製作数はまだ上昇トレンドにあると言えるのだ。
このアメリカにおけるアニメ事情、何やら日本にも通ずる所がある。1990年代後半からテレビアニメが多数製作されるようになったのは、好調なアニメビジネスへ対する事業者の参入欲が高まったからである。それは2000年代に入っても加速し続けた。
2006年史上最多の新作テレビアニメタイトルが製作されたのは、そうした事業者の意欲が見事にシンクロした結果ではないかと思われる。そのため、2006年が前後の年と比べて突出した製作量になったのであろう。私見であるが、おそらく日米共に見られた2006年のアニメ「大量発生」は必ずしも減少に転じるピークではなく、一時的な現象であったように思える。もちろん、今後も製作量の推移を見続けなければその判断を下せないが、今のところその気配は見られない。
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