『中国動漫新人類』に見る中国動漫事情⑬〜中国製アニメのビジネスモデル/制作費1
中国のアニメ製作者のビジネスモデルはどうなっているのか。かつては(今でも結構多いが)日本の動画仕上を担当することで過半の収入を得ることが多かったであろうが、総製作時間が10万分を超えるような状況では、中国アニメ専業に近い形でやっている製作会社も相当あるものと思われる。
ここで、もし自国アニメを中心に製作しているとし、それらの会社はどのような事業性に則って経営をしているのであろうか。このへんの所は遠藤氏の『中国動漫新人類』を読んでもわからず、それもあって余計興味を覚える。
アニメの収益構造には幾つかあるが、まず頭に浮かぶのが制作収入であろう。場合によっては放映権料として支払われることもあるが、これがまず収益の最初に来るのが普通である。アメリカのシンジュケーションや日本の深夜アニメのように持ち込むという例もあるが、それはそれなりに他の手段での収益目論見があるためで、通常はまず制作費(放映権料)を当てにする。
ところが、中国ではこの制作費(放映権料)はおそろしく安いようだ。といっても、それはつくるコストとの見合いであるからして、それも勘案した上での判断をしなければならないが、『中国動漫新人類』に出てくる金額を見る限り物価の差を考えても相当安い印象を受ける。
中国のテレビ局が製作会社に放映対価として支払う金額は分単位とのことである。合理的といえば合理的ではあるが、1分間で6,000元(9,000円)。これは中国中央テレビ(CCTV)の金額であるから当然一番高く、地方のテレビ局では1分間8元(120円)から10元(150円)であるという。正味25分として4,500円。泣くに泣けない値段である。
一方、実行制作費の方はどのようになっているのであろう。
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