『中国動漫新人類』に見る中国動漫事情⑭〜中国製アニメのビジネスモデル/制作費を推測してみる2
確か2001年か2年くらいの話だったと思うが、マッドハウスに中国で作品を放映しないかというエージェント(日本人)が現れた。幾らで買ってくれるのかと思ったら1話1万円だという。余りの安さに驚いたが、その人間は中国ではテレビ局が1,000局くらいあるので、例え1話1万円でも合計で1,000万円になりますと言った。理論的にはあり得るロングテールな話だが、その値段で委員会が同意する可能性はないので丁重にお断りした記憶がある。
当時は有り得ない価格だと思ったが、『中国動漫新人類』を読むとその購入価格は妥当だったようである。1話1万円とすると分単価400円である(正味25分として)。地方のテレビ局の1分間8元(120円)よりはマシだが、ほぼ動画2枚分の価格は厳しい。
これに対し、実行制作費はどれくらいなのであろうか。『中国動漫新人類』に唯一書かれてある数字は製作会社の人間が言った800万元(1億2千万円)という数字である。これはもちろん総製作費であろう。何話あるのかわからないので話数単価を出すことができないが、おそらく1年分4クール50話前後の金額であると思われる。
何故かといえば、中国のアニメ関係者と交流のある日本の知り合いから聞いた話であるが、放送で得られる収入は実行制作費の1/10程度であるらしい。前回CCTVの放映権料が1分9,000円と書いたが、番組が25分なら1話当たりの放映権料は225,000円となる。
一方、先ほどの総制作費1億2千万円を50話で割ると、1話240万円になる。もし、放送収入は制作費の1/10程度という話が本当であればほぼつじつまが合う。だとすると。日本のアニメの5〜6分の1といったところか。
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