『中国動漫新人類』に見る中国動漫事情⑱〜中国製アニメのビジネスモデル/DVDが700万枚売れた中国のアニメ
10兆円もの中国動漫市場。常識的に考えるとこれは大変なマーケットである。映像、音楽、テキストを含む日本のコンテンツ総体の市場規模が約14兆円(2006年/デジタルコンテンツ白書)。中国は動漫市場だけで10兆円。両国のGDPを考えると中国はコンテンツに対する消費割合が日本より大きいということになる。
10兆円の中国動漫市場の中で日本の動漫が占めるパーセンテージは高いであろうが、中国産アニメも相応の売上はあるものと予測される。今週配信されたデジタルコンテンツ協会のDCAJニュースに昨年末行われた中国市場動向調査レポートが掲載されており、そこにある中国中央テレビ(CCTV)の巌番組版権管理処科長のインタビューを読むと、「CVTVでアニメ史上最高の視聴率を記録した「哪吒伝奇」のDVDは7百万枚売れているし、水晶石社が北京テレビに供給したアニメ「福娃オリンピック漫遊記」は漫画本の出版で同社に1,000万元の収入をもたらしたと聞く」とある。
http://www.dcaj.org/dcaj_news/no137/oreport/article01.html
人口が多いとはいえ700万枚とは凄い数字である。日本の感覚だと70万枚といったところであろうが、日本のアニメでもそれほどのヒットは珍しい。またアニメから派生したマンガで1,000元=1億5千万というのも、ロイヤリティのパーセンテージがわからないが、上代の市場は相当なものであろう。
もし、このように中国のアニメ製作者が動漫市場から相応の収益を得られているのなら、放映権料に頼らなくても十分やっていけそうである。そのうち新進企業家として脚光を浴びるようになるかも知れないが、どうも現実はそう単純ではないようである。
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