『中国動漫新人類』に見る中国動漫事情㉓〜中国のアニメ政策事情/多少バブル気味とも思える製作事情
中国政府は「音像」製品に対する奨励・優遇政策を打ち出す一方、密輸・海賊版等違法経営活動を取り締まるため、違法経営活動をした会社に対する罰則を強化することにした。2002年には「音像市場への規定期限以内の従事禁止制度の実施に関する通知」を公布し、違法経営で許可証を取消された会社や個人は、10年間音像製品の事業に従事してはならないとした。また、「中国音像映画ネット」で「全国音像市場従事禁止会社及び個人のデータベース」を掲示し、地方の文化局が「音像」製品の事業者を認可する際にこのデータベースの情報を参考とするように定めている。
このような流れの中、特にアニメ分野においては、広電総局が2004年に「アニメ映画産業の発展に関する若干の意見」を公布し、アニメ産業を発展させるため、国産アニメを積極的に放映する体制を構築し、省レベルのテレビ局によるアニメチャンネルの開設、中央テレビの少年チャンネルにおける国産アニメ放映量の増加などの推進策と規制を定めた。
また、アニメの市場取引を積極的に育成し、中国のアニメ製作者がアニメ生産における主要な役割を果たせるようにするために、民営会社など国営以外の経済組織が開発や経営に参加することを奨励している。さらに、外国アニメ産業との合作も強化し、中国の特色を体現した合作アニメに関しては国産アニメと同様な待遇を与えることも定めている。
しかしながら、それは製作費の資金調達にまで面倒を見てくれるかといえば、そういう場合もあるがほとんどは優遇制度を裏付けに、テレビ局などからの出資を仰ぎながら自己調達しているようである。
ここ数年、凄い勢いで伸びている制作分数を考えると、とてもテレビ局の出資や公的機関からの援助でまかなえるものではないであろう。高度経済成長で恩恵を受けた不動産業者からの投資が多いとはよく聞く話で、どうやら、他業種の余剰資金がアニメ業界に流れてきているようなので、その意味では多少バブル気味の感じがしないでもない。
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